英国に本社を置くMoores Glassworks(ムーアズ・グラスワークス)様は、英国に拠点を置く、特注の工業用・科学用ガラス製品の製造を専門とする会社です。約40年の歴史を持ち、その高品質な製品は世界中へ輸出されています。

同社は、特に「グレーデッドシール(graded seals)」と呼ばれる、異なる種類のガラスや金属を接合するためのガラス部品の製造において、世界的なリーダーとして知られています。これは、熱膨張率が異なる材料を真空中でつなぎ合わせる際に重要な役割を果たす精密な製品です。

僅かな欠陥すら見逃さないよう、当社のMantisLynx光学検査システムをご採用いただいています。

Moores Glassworksの主な製品とは

Moores Glassworks様は、約40年にわたり産業用アプリケーション向けのガラス製品の設計・製造に携わっています。特殊部品に対するお客様の多様な要求に応えるため、社内のエンジニア向けにカスタマイズされた特別仕様の機械を使って製造を行っています。

旋盤などの機械は、新しいチャック、バーナー、ギア、コントロールを導入して完全に改造され、ユニークで高品質な性能の部品を生産しています。この高い技術と経験を持つ技術者の存在が、お客様の要件への迅速な対応と、競争力の高いカスタムメイドサービスの提供を可能にしています。

製作される主要な部品に、鉛やコーディアルガラスでできたマルチピンベースがあります。X線管、光電子増倍管、陰極線管、中空陰極ランプ、その他の専門管など、すべてのタイプの電子管に幅広く使用され、お客様が求める正確な構成を維持しながら、量産が必要です。

ヴィジョン・エンジニアリング製品の適用

繊細な温度管理が求められる製造工程

ガラス製品の製造工程、特にマルチピンベースのガラス成分を結合させる際には、正確な温度管理が不可欠です。ガラスステムとガラスリングが正しい温度に加熱され、成分を融合するのに十分な圧力がかけられないと、融合が起こらず、キャピラリが形成されます。そうなると、そこから漏れが発生し、最終的にバルブに密封された時に欠陥が生じる可能性があります。

ガラスステムの初期検査

図面やデータシートに従って適切なダイセットを選択し、ピンチ器に取り付け、必要な材料を揃えた後、オペレーターは特殊な技術と経験を活かし、仕様書に従って適格な数量ステムを生産します。この時、必要な品質レベルが維持されていることを確認するために、ランダムに製品の検査を行います。

アニール処理とひずみ検査

続いて、マルチピンベースのステムは、名目上摂氏525度のオーブン内の加熱室でアニーリングした後、ひずみテストが実施されます。その後、最終的には摂氏78度で32%の酸で洗浄され、酢酸、硝酸、塩酸の光沢浸漬溶液中に浸漬されます。この手順は、ハードまたはソフトガラスのどちらでステムが製作されているかによって異なります。

ガラスステム以外の検査

Moores Glassworks様では、ステムの接合部の検査に止まらず、ガラスから金属シール(ディンプル)内のベント、取り付けを誤ったピン、バブル、チップや黒線など、幅広い用途に使用される特殊ガラス製品や固有部品を形成する射出成形プラスチックの不良や欠陥を、当社のMantisLynx光学検査システムで検査しています。

MantisおよびLynxの評価

同社の検査担当者様は、次のように述べています。

  • 生産工程の一部で機械を使い、残りは手作業で行っているため、厳しく細かい検査工程が必要になります。
  • お客様に短いターンアラウンドタイムで納品すると自負するには、正確で操作の簡単な検査機器に頼る必要があります。
  • ヴィジョン・エンジニアリングのアイピースレス製品と、目が疲れにくい人間工学設計によって、チームの生産性が向上しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. Moores Glassworksの製品はどのようなものですか?

A. 同社は、電子管に使用されるマルチピンベースなど、産業用アプリケーション向けの幅広い特殊ガラス製品および固有の射出成形プラスチック部品を設計・製造しています。

Q2. アイピースレス顕微鏡を使うメリットは何ですか?

A. MantisやLynxのようなアイピースレス光学検査システムは、ガラススルーザレンズのような鮮明な視界を提供し、作業者の目を疲れさせずに長時間の検査を可能にします。これにより、正確な欠陥検知と生産性向上に貢献します。

Q3. 何故、それほど厳しく最終検査が行われるのですか?

A. 生産工程では手作業の部分も多いため、製品に欠陥が発生する可能性があります。厳格な最終検査は、欠陥品が顧客に届くのを防ぎ、すべての製品が最高水準の品質であることを保証するために不可欠です。

まとめ

お客様や行政が求める品質規制がますます厳しくなり、生産性と同時に健康経営に対するプレッシャーが高まる中、信頼できる品質管理のプロセスを確立し、そのプロセスを支える適切な機器やツールが必要です。そんな中、Moores Glassworks様は、アイピースレス顕微鏡によって精度の高い検査と生産性を両立させることで、今後も、多様でより複雑なお客様のニーズに応え続けます。