空気軸受ソリューションの世界有数企業である Air Bearings Ltd (ABL) は、、ヴィジョン・エンジニアリングのリンクスアイピースレス ステレオ ズーム顕微鏡を使って、機械加工部品の重要な検査を行っています

部品は、最大 35 万 RPM という脅威の速度で回転する主軸から形成されているため、部品の検査は、優れた回転速度において最適な性能を維持する上で重要です。

ABL は、1993 年に設立され、様々な専門用途向けに高品質で、競争力の高い価格設定のエアベアリング軸の設計、製造、サービスに従事しています。

日立のグループ企業である ABL は、精密研削、非鉄旋盤、ミリングや PCB ドリルなど、特定産業アプリケーション向けに軸を提供しています。

品質管理が生産の基本です

生産工程全体を通じて品質管理の統合を行うことは、生産の基本であり、それによって ABL は製品において高レベルの性能を実現しています。

軸が 8 万から脅威の 35 万 rpm で動作するため、重要部品をサブミクロンの精度で加工することが不可欠になります。

ほぼすべての部品は社内で製造されており、加熱処理、陽極酸化処理、シャフト銅メッキなどの専門工程など、ごく一部の作業だけを下請業者に外注しています。

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図.1.0. は ABL 製の典型的な軸 を示しています

ABL にとっての優先事項は、すべての機械加工部品に細心の注意い、組み立て後、軸に影響を与える可能性のある欠陥を検査することにあります。 極端な回転速度であるために、すべての部品、とりわけエアベアリングは正確に検査を行う必要があります。

軸の主要部品である回転シャフトは、リンクス顕微鏡を使って検査されます。

銅が挿入される溝は、スチールシャフトに沿っています。 シャフトを動かす電動モーターの半分が銅で出来ており、高速回転するため、シャフトのスチールに密着していることが不可欠となります。 銅が持ち上がると、瞬時に致命的な欠陥の原因となります。

そのため、シャフトにギザギザ付けられた後、銅がはめ込まれる前に、リンクスを使って注意深く検査されます。

ABL の品質担当の Adrian Farwell 氏は光学検査の重要性についてこう説明しています。

「場合によっては、部品に許容を割り当てることができません、そのため、光学検査により部品を鑑定することは不可欠であり、検査は厳格な品質管理手順の重要な部分なのです」。

ミリングは、金属表面にバリ、侵食エッジ、傷跡があるかどうか光学検査を受けます。 この検査は、銅がシャフトに簡単かつ正確に付着しているかを確かめる上で重要となります。 表面の仕上げが美しく正確でないと、銅がシャフトに付着しないためです。

軸の機能に不可欠である ABL 製の部品は、100% 検査の対象となっています。 その他の重要度が低い機能を持つ部品に対しては、バッチ検査が行われます。

リンクスの革新的光学検査がソリューションを提供します

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光学検査作業は、リンクス ステレオズーム顕微鏡の光学の下で行われます。

リンクスは、特許取得済みのアイピースレス技術を採用することにより、制限顕微鏡のアイピースを不要にした画期的なズーム ステレオ顕微鏡です。

その結果、人間工学に基づいた顕微鏡によって、オペレータの快適性を向上させ、目の疲れの軽減、生産性や精度の向上を可能にします。

Adrian 氏は、リンクスをステレオ検査ツールとして使用することの利点について続けてこう説明しています。

「まず、アイピースレス ビューアに大変感銘を受けました。なぜなら以前のステレオ顕微鏡に比べて目の疲労が少ないからです。 しかし購入の決め手になったたのは、傾斜・直視ビューアーの性能でした。

傾斜・直視ビューアーの機能を持つリンクスは、優れた検査ツールであり、我々にとって非常に貴重なものとなっています。」

傾斜・直視ビューアーは光学の付属品であり、エンジニアは 34º の角度から部品を見ることができ、360º 回転するため、部品をくまなく簡単に検査でき、オペレータによる直視および傾斜ビューの切り替えが可能です。

リンクス顕微鏡には、品質工程をサポートする付属のカメラもあり、品質を常に向上するため、疑わしい差違をデジタルでキャプチャし、電子的に循環し、文書化することができます。

エアベアリング噴出孔検査

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ABL 軸内にあるもう一つの重要な部品は、エアベアリングであり、シャフトと軸受の間に空気のフィルムを制御する噴出孔が付いています。

その他の多くの部品の中でも、取り付けられた噴出孔は軸の機能にとって不可欠であるため、100% 検査を受けます。

噴出孔を通過する空気はシャフトと軸受の間でクッションの役割を果たし、自由な回転を可能にします。

噴出孔によっては開口部がミクロン単位と小さいものの、加工された品質はリンクスを使って検査され、内部がクリーンでギザギザがないかどうかを確認することができます。

また、ポケットサイズ、形状、奥行が完璧でないと、軸内でシャフトがその他の部品とぶつかり気流に問題が生じる場合があります。

「傾斜ビューアーのおかげで、3 次元での視野が生まれ、これを実現する方法は他にありません。 当社の用途にリンクスは大きく貢献しています。 大変価値が高く、神の恵みのようなものです」と、Adrian 氏は述べています。

品質管理によって、完全なる精度と性能を実現されています

ABL は長年にわたり製造に従事しており、設計、製造、組立、テスト工程における品質管理の統合によって、ABL は顧客の賞賛を受け、またライバルの羨望の的となる性能レベルを達成しています。

ABL の施設では、最先端の器機を装備しています。 実証済みの従来の手法と組み合わされた最新技術と熟練の労働者によって、ABL は高精度の部品を生産することができます。

急速な拡大によって、ABL はエアベアリング技術利用におけるリーダーになっています。 より小さく、より早い軸の需要が増えるなか、ABL は事業を展開しつつ、高精度な製品を顧客に提供し続けています。